犬とハサミは使いよう見ました。
  《作品概要》(Wikipediaより抜粋)
ある日突然、強盗に殺された春海和人。だが本バカゆえの執念で、奇跡の生還を果たす。しかし、その姿はダックスフントと化していた。「本読めないじゃん!!」と、悶える和人の前に現れたのは、ハサミが凶器の美女・夏野霧姫。その正体は和人が大ファンの作家・秋山忍本人だった。

 ❏ 本を読んどけ!

結論から言うと、アニメに向いてない系の作品です。
原作のラノベだけ読んどけばOK。

作者は本が大好きだということが、主人公の犬を通じて存分に伝わってきます。
だからこそ、本こそが至高であり、それを超えるエンターテイメントは存在しないという考え方。
つまりは、この作品は本こそが完成形であり、それが一番楽しめるように作ってあるのだと思います。

なので、アニメにしたところで原作の魅力は十分には伝わらないでしょうし、それでもアニメにしたいので
あれば、もっと思い切った演出や手法を取り入れて、別作品にするくらいの勢いで挑まないと厳しい。

たまに、そういう作品は存在します。
とにかく、文章を書いたり、細かい設定を考えるのが好きな作者さん。
それはそれで一つの才能だと思いますし、本好きにとっては堪らないものがあります。
(境界線上のホライゾンや新世界よりなど)

アニメの方が本より位が上っていうことはないと思いますし、アニメ化することが本としての成功の証明
って訳でもないと思います。
本として面白い作品は、よっぽど面白くする自信が無い限り、無理にアニメ化する必要はないです。
原作を知るきっかけにはなるでしょうが、マイナスプロモーションになる可能性もあり、リスクも高い。
アニメの原作不足が深刻なのは分かりますが、何でもかんでもっていうのは考えものかと。

 ❏ 空回り 

スタートしてから終始空回りし続けている印象。
やりたいことや方向性は何となく伝わってくるのですが、それが上手く形にできていない感じ。
一生懸命やればやるほど空回りしているように見えて、痛々しいというか寒いというか。

ボケとツッコミの掛け合いも、原作では一つの魅力なのでしょうけれども、声にすると語呂やリズムが
しっくり来ずにスベっているように見えます。
また、掛け合い中は絵が変わらないため、映像的にも萎える。
物語シリーズのように、色々なパロディや奇抜な映像を次々と切り替えるくらいの工夫を行わないと
見ていて辛いです。

時折、原作の文章が文字として大量に流れるという演出は取り入れてますが、目立つ工夫はそれくらい。
他は至って普通どころか、作画的にもややもっさりしています。

 【まとめ】

コメディ・恋愛・シリアス、どれも中途半端でどれがメインなのか分からない。
なので、見てる側としても、何をモチベーションにして何を楽しめば良いのかが分からない。
このアニメでは、原作の魅力を半分も伝えきれていない感じがします。
あくまで、アニメそのものは原作を知るための入り口に過ぎず、興味を持った方は原作を読んでくださいよ
ということなんですかね。

光る部分はテーマ曲くらい。
映像はダサいけど、曲はアニソンらしくて好きです。


犬とハサミは使いよう 
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犬とハサミは使いよう ファミ通文庫 / 更伊俊介 
↑原作が読みたい方はこちら



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