THE UNLIMITED -兵部京介- 見ました。
  《作品概要》(公式HPより抜粋)
椎名高志原作「絶対可憐チルドレン」に生まれた偽悪のヒーロー・兵部京介がオリジナルストーリーによるスピンオフ・アニメーションとなって登場!!  刻(とき)の運命にあらがって、無限を解き放て!!
 ❏ 誰向け?誰得?
正直、放送前は皆さんと同様に「絶チルの2期ならまだしも、そのスピンオフでオッサン(見た目は若いけど)が
主人公のアニメなんて誰が見るんだよ!」って私も思ってました。
絶チル放送から4~5年が経過していて、熱心に原作を追っているファン以外は記憶も曖昧なはず。
何故このタイミングで、そして誰に向けて作っているのか?という疑問が拭えないまま放送がスタート。
案の定、ザ・チルドレンは脇役としての登場にとどまり、実質的な萌え対象はロリ幼女(&動物くぎゅう)のみ。
いよいよもって、本格的な迷走状態に突入か?と客観的には捉えられるものの、結果として私が好き好んで
見ているという現状。どうやら、私向けに作られているっぽい。
起用されているキャストとか、登場するキャラの男祭りな感じから考えるに、一応は腐女子をメインターゲットと
して想定していたと思われます。
しかしながら、実際は結構硬派な内容で、各話の中にしっかりとしたストーリーが込められいますし、
絶チルには無かったようなカッコ良さやクールな雰囲気は男性から支持されてもおかしくはない。
題材はエスパーとノーマルですが、要は差別問題についての話。
エスパーじゃないにしても、差別問題は現実社会にも存在する訳で、そんなデリケートかつナイーブな
テーマを扱うのですから、遊び半分じゃできないですよね。
どちらの立場も理解できるため、結構奥深いものがあります。
むしろ、ちょっと軽めのノリが含まれる絶チル本編よりも、こちらの方が向いている気がします。
「今現在の絶チル(原作)を猛烈に支持している方」や「当時の絶チルが好きだったという方」には
あまり好かれない気がしますが、「当時絶チルを見ていて、今は大人だけどまだアニメも好きだよ」という方
には刺さるかもしれません。(←範囲狭すぎだろjk)
つまりどういうことかと言うと、「大人向けのアニメです」ってこと。
ある程度年を重ね、アニメキャリアも長く、萌えとかエロとかにはいちいち反応しないけど、まだまだアニメを
見るのをやめる気はないですよって方(この時点でかなり絞られます)が、薄暗い部屋で夜中に一人酒でも
飲みながら、現実とまどろみの間で揺れ動きつつ見るのには適しているかも。(←こんな人は微レ存?)
もう少し幅を広げるなら、作品の質や方向性は全く違いますが、サイコパスが面白いと感じてる方は、
このアニメも結構いけるんじゃないかな?って気がします(保障はしません)。

 ❏  兵部強すぎワロタww
何はともあれ、兵部が強すぎてパワーバランスが保ててない。
ただでさえ強いのに、変身してさらにパワーアップしちゃうんだから、範馬勇次郎並に負けが想像できない。
物語としては二転三転色々あるんですが、最終的に兵部の勝ちが見えちゃってるため、戦闘シーンでの
スリルやハラハラ感が足りないです。
HPのキャラ紹介にも、『襟につけた記章はリミッターとなっており、これを回転させ能力を解き放つことで
「アンリミテッドモード」とよばれる無敵状態となる。強いぜ!
』って書いてあるし。
もう少し対等な戦いであったり、ギリギリでの勝利とかがあった方が主人公らしいし、感情移入もしやすいかも。
ただ、それだと兵部のキャラが崩壊しちゃうっていうのもあるから。
ピンチで慌てふためく兵部なんて、兵部じゃない(少し見てみたい気はするけど)。
スピンオフで自分が主人公になったとしても、ダークヒーロー的なポジションというのは崩さない兵部少佐。
そうなると、アニメとしては王道ではなく邪道(変化球)系に分類される。
視聴者としては、少年漫画のように自分が戦っているという視点ではなく、第三者の視点から客観的に物語を
追うというパティーン。
まぁ、あまり努力を表に出さないチート系主人公が最近の流行りっぽいので、そこに抵抗があったり、とやかく
言う人は少ないと思われるので別に良いんですけど。

 【まとめ】
ラブライブ!同様、放送前の評価やイメージが低かったせいか、良い意味で意表を突かれた形となりました。
作画は大目に見るとして、話自体はよくできてますし、絶チルを知らない人でもエスパーという設定さえ理解
すれば十分楽しめる内容かと。
そうなると、「完全オリジナルアニメにしちゃえば良かったのに」という思いが出てくる。
確かに、兵部というキャラクターは魅力的ではありますが、これくらいの脚本が作れるならば、そこに固執する
必要は無かったようにも感じられます。
そのせい(絶チルのスピンオフという先入観)で、逃している視聴者も少なくはないはず。
アニメはいざ始まってみないと分からないことも多く、食わず嫌いって損だなと改めて感じさせられた1本です。
ぶっちゃけ、円盤の枚数はそんなに多くないと思われますが、懲りずにこういうアニメを作り続けて欲しい。
まさに、隠れた良作。それを自分で発見できたという悦びこそが、アニメを見る醍醐味だと思います。

THE UNLIMITED -兵部京介-公式HP

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